香りの分析 〜fragrance analysis 〜
フレグランスハウス、ジャン パトウはミル（１０００）を“天然香料の過度な浪費”と評している。この言葉通り、ミル（１０００）は、そのほとんどが稀少で高価なローズやジャスミンなどの天然香料で構成されている。
１９７２年に発売されたミル（１０００）はジャン パトウの偉大な調香師ジャン・キルレオ氏が自ら香料採取に中国まで赴き、１０年の歳月をかけて創り出された逸品。ミル（１０００）という名は、世界中の稀少な天然香料を調香した完璧なまでに美しく魅惑的な香りを創り出すために、１０００もの試作品が作られ、消えていったことの証である。
ミル（１０００）の香りはまるで、何年も熟成されたブランデーのように、芳醇で深みがあり、まろやかな香り。ミル（１０００）の心臓部は最高級のダマスカスローズとローズセンチフォリア、フランスの香料産地グラースのジャスミンが織り成す、限りなく豊かで奥深い香り。その麗しい香りに、中国原産のオスマンサス（金木犀）とグリーンの香りが少しの清涼感をもたらし、マイソール産のサンダルウッド（白檀）やインドネシアのパチュリがどこかオリエンタルでミステリアスな印象を醸し出している。
古代中国の嗅ぎたばこ壷をモチーフにデザインされた翡翠のボトルは、ハンドメイドの高級品。翡翠独特の青さと荘厳な面持ちは、ミルの類稀な香りを表現するのに相応しい装飾であり、超高級香水と評されるミル（１０００）はその発売当初、セールスマンがロールスロイスで得意先を訪問したという話は有名である。
厳選された高級天然香料、すばらしい調香の結晶であるミル（１０００）の甘美な香りを堪能するためには、香料の含有率がより高く、純度も高いパルファングレードを強くお勧めします。空気に触れ、人肌で温められた香りは一層その魅力を増し、身に纏う人のオーラとなります。目には見えない香りという存在でありながら、唯一“美しい”と表現される香り、それがミル（１０００）なのです。
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